| 事業者/路線名 |
区間 |
| コメント |
| 北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線 |
池田〜北見 140.0km |
早くから不安視されてきた、国鉄から転換したなかでは最長の3セク鉄道である。経営安定化基金が底をつく2006年度以降、赤字補填のための沿線自治体の負担が巨額にのぼることから、最大株主である北海道は、昨年11月に開いた協議会で、鉄道を廃止してバス転換するのが妥当との方針を正式提案した。そして先月、財政支援の打ち切りを決定したため、来春の廃止が有力視されている。 →道は4月23日、2005年度はじめのバス転換を目指すとしていた方針を一時凍結、少なくとも2006年度までの一年間は鉄道存続を容認へ。これは一部沿線自治体が強硬に存続を主張し、協議が膠着状態になっているのを受けたもの。 →6月に行われた協議会で、少なくとも2005年度末まで鉄道を存続させ、その間に経営改善の見通しが立たなければ2006年4月にも廃止・バス転換を図ることで合意に至った。今後、経営が改善する見込みは少なく、2006年3月末限りで廃止される公算が大きくなった。 |
| JR東日本 岩泉線 |
茂市〜岩泉 38.4km |
| わずか1日3往復(ほかに区間運転一往復)、輸送密度が100を切るという超閑散線区で、別名「最後の国鉄ローカル線」ともいわれる。国鉄再建法の荒波を乗り切る主因となった、並行道路の未整備状態は、未だ変わっていない。しかし、あまりの乗客の少なさに、1996年、JR東日本盛岡支社がバス路線に転換する方針を持ち掛けたが、地元が強く反発し、今は存廃問題は一見沈静化している状態だが、いつ再燃してもおかしくないともいえる。 |
| 秋田内陸縦貫鉄道 |
鷹巣〜角館 94.2km |
国鉄阿仁合線と角館線を、両線の未通部分を開通させたうえで引き継いだ第三セクター鉄道であるが、今年度の輸送人員は全線開通した1989年度に比べ、およそ半分にまで落ち込んでおり、ここ数年の単年度赤字も3億円近くに上っている。そのため昨年11月、秋田県知事は2004年度中にバス転換を含めて一定の方向付けをしたいとして、廃止を含めて検討する方針を表明。赤字を折半して補填している秋田県と沿線8市町村を中心として、懇話会を設置するなど、今後の行方が注目される。 →先ほど開催された懇話会では、列車と同じような間隔・本数でバスを運行した場合、赤字が約1億6千万円削減されることが報告された。引き続き、9月には利用者や沿線住民ら約三千人を対象に、バス転換の是非などを問うアンケートを実施する予定で、事態は切迫しつつある。
|
| くりはら田園鉄道 |
石越〜細倉マインパーク前 25.7km |
このコラム75、81でも触れてきたように、宮城県が赤字補填のための補助金支給を2001年度から3年間を限度にすることを決めたのを受け、沿線5町は昨年4月に運賃を半額にするなどの需要喚起を狙った交通実験を実施。しかし結果は芳しくなく、その後同県は補助金を2004/5年度は半額支給、6年度はさらに削減して支給することを決定した。これらの結果、2007年3月末限りで廃止、バス転換される。 →6月に開かれた取締役会でも、全員一致で廃止案を了承、同月末の株主総会で正式決定した。代替交通機関については、栗原郡10町村の合併で来春誕生する栗原市にとっての重要案件となるが、バスによる代替輸送となる模様。 |
| わたらせ渓谷鐵道 |
桐生〜間藤 44.1km |
| 乗客数は1994年度の年間106万人をピークに、2002年度は約73万人にまで落ち込んでいる。そのため、1989年の第三セクターへの転換時に、国が交付した鉄道経営対策事業基金の第一基金7億円も、赤字補てんにより減りつづけ、今年度末で枯渇する見通しとなっている。 |
| 日立電鉄 日立電鉄線 |
大甕〜常北太田 11.5km |
1988年から赤字路線となり、経営努力を続けてきたが、バスや不動産事業を含めたグループ全体でも債務超過に陥っている。そのため、会社は設備老朽化で安全運転が困難になるとして、2005年3月末限りでの廃止の方針を発表、今月中にも届け出る模様。今後、県および日立、常陸太田両市の対応が注目される。 →3月26日、鉄道廃止届を国土交通大臣に提出、2005年3月31日限りで廃止される。詳細は、ホームページに記載されている。 →地元自治体のうち、日立市は廃止もやむを得ないとしたが、常陸太田市はなんとしても存続させようと努力している。ただ、第三セクターなどの運行会社の設立は難しいとして、日立電鉄に代わる鉄道事業者を8月末までの期限で、同市のホームページなどで募集した。問い合わせがあったのは岡山電気軌道一社のみで、同社からは受託運行方式での申し入れがあったのだが、残念ながらこれは合意に至らなかった。すでに、代替バスの運行案が出されているが、岡山電気軌道は協議再開を申し入れている。 →結局運行存続に必要な公的負担額が大きいことから、常陸太田市長は、10月22日、市議会全員協議会で存続断念を表明、茨城県知事も、「存続を断念せざるを得ない」とコメントした。日立市は当初から廃止もやむを得ないとの立場のため、これで鉄道存続の見込みはなくなった。 |
| 鹿島鉄道 |
石岡〜鉾田 27.2km |
| 航空自衛隊百里基地へのジェット燃料輸送が安定収入源であったのだが、パイプラインの老朽化を理由に2001年8月に休止された。これを受け、会社は公的支援がなければ廃止もやむなしとしたため、存廃問題が浮上。この時には沿線自治体と茨城県により、2002年度より5年間の公的支援が決定したため、現在は一息ついている。2007年3月末が近づくと、存廃問題が再浮上することとなる。 |
| 銚子電気鉄道 |
銚子〜外川 6.4km |
| ぬれ煎餅を発売するなど、経営努力で知られている電鉄である。しかし、経営安定化を目的として交付されてきた補助金が今年で打ちきられることになり、今後の安全性向上を目的とした工事や老巧化車両更新のための資金調達が困難となっている。地元では署名運動を通じて存続を訴えている。 |
| 上田交通 別所線 |
上田〜別所温泉 11.6km |
| 「丸窓電車」が親しまれたが、同電車の引退後は乗客減による危機が伝えられることが多かった。昨年度の経常損失は約3400万円で、不動産部門の収益により、会社全体では一息ついている状態。しかし、国土交通省が打ち出した地方鉄道安全強化の新基準を満たすためには、今後10年間で約15億円の投資が必要と見込まれるため、会社側は地元自治体による公的支援がなければ廃止を検討せざるを得ないとしている。私自身昨年9月に利用した。長野新幹線建設による改築に伴い、起点の上田駅は高架化されて近代的になり、車両も冷房付のすっきりとした東急の中古車であった。途中までは都市近郊の風情で沿線人口も少なくないが、駅間距離が短いからか、速度はあまりあがらず、利用者も心なしか少ない印象であった。ただ、翌月には列車増発が行われている。 |
| のと鉄道 能登線 |
穴水〜蛸島 61.0km |
2001年3月末限りで3セク路線初の廃止区間(穴水〜輪島間)を出したのが記憶に新しいところであるが、昨年末に、石川県のと鉄道経営問題検討委員会は、能登線をバス転換すべきとの会長私案をおおむね了承、今年一月に同県知事に伝えた。早ければ2005年3月末にも廃止の公算。能登半島の鉄道は、昭和57年に全線開通した能登有料道路により、自家用車やバスに乗客を奪われ続けている。そのため、まだ輪島への鉄路が残っていた時に訪れた際にも、全般的にあきらめムードが強い印象を受けて、早晩こうなってしまうのではと危惧していたが・・・。また、輪島への線路が残っていた時に訪れた能登三井駅では、腕木式を廃してせっかく自動化した信号が、完成直後に列車交換廃止のために使われなくなったり、昨年度の能登線での列車削減も、経営コンサルタントの言いなりであるなど、どうも私のような素人から見ると、経営に主体性がない印象を受けるのだが・・・ →3月23日の取締役会で2005年3月31日限りで廃止することを決定、国土交通大臣に廃止届を提出した。 |
| 名古屋鉄道 岐阜市内線・揖斐線・美濃町線・田神線 |
岐阜駅前〜忠節 3.7km 忠節〜黒野 12.7km 徹明町〜関 18.8km 田神〜競輪場前 1.4km |
ここのところ路線廃止が相次いでいる名鉄であるが、一昨年10月、沿線自治体に、今後の経営状況によっては廃止を余儀なくされる可能性があるとの意向を示し、昨年1月に発表した中期経営計画で、「岐阜市内線以北からの2004年度を目途とした撤退に向けて関係自治体と協議」と明記していた。そして先月、来春の廃止を正式決定し、今月1日に揖斐線の廃止届出と、岐阜市内線と美濃町線(田神線を含む)の廃止許可申請を国に提出。公設民営方式か、第三セクター方式での路線存続を図る地元自治体の対応も、決定や調整が遅れると間に合わない恐れが出てきた。 →5月20日、LRV(超低床路面電車)導入など、積極的な路面電車運営をしている岡山電気軌道(岡山市)が支援検討を表明し、廃線が回避される可能性が出てきている。 →岡山電気軌道は、線路や車両を自治体が所有し、運行を民間委託する「上下分離公設民営方式」の採用と、道路上に色を塗っただけの現在の電停に、段差のある安全島を設置するなどの対策を求めた。これに対し、岐阜市をはじめとする地元自治体は、名鉄と資産譲渡の減額交渉を重ねるなどしたが、財政難の自治体側が重い財政負担に耐えられないことや、電停への安全島設置も難しいことから、同線の存続断念を決断した。 →今度は仏の大手交通会社・コネックス社(本社パリ市)が、事業進出に名乗りを上げるという新しい動きがでてきた。11月15日に岐阜市に事業計画を提出するため、最終調整を進めていたところ、国土交通省は11月8日、軌道法に基づき、名鉄が申請していた市内線と美濃町線の廃止を許可した。揖斐線については、鉄道事業法に基づいて廃止届け出書がすでに受理されており、すべて正式に来年3月末限りでの廃線が決まった。そのため、名鉄からコ社への特許の引き継ぎが不可能となり、コ社が進出するには、煩雑な新規特許の取得が必要で、通常8カ月もの期間を要することとなる。 |
| 神岡鉄道 |
猪谷〜奥飛騨温泉口 19.9km |
10月中旬までに、鉄道部門の年間収入の4分の3を占めていた、神岡鉱業関連の輸送がトラック輸送に切り替わり、実質貨物輸送が停止した。そもそも、国鉄神岡線が第3セクター鉄道として生き残った唯一の理由が、神岡鉱業の硫酸輸送が道路輸送では危険とされたためであった。旅客輸送密度が約100と、有田鉄道亡き後は全国で一番輸送密度が低い鉄道であるため、存廃問題に発展すること必至である。 →同鉄道の筆頭株主の三井金属は、第三セクターに移行した際に国から交付された、3億円の鉄道経営対策事業基金が底をつく数年後をめどに、神岡鉄道を廃線にしたい意向を、飛騨市に伝えた。 |
| 長良川鉄道 越美南線 |
美濃太田〜北濃 72.1km |
| この9月で、国鉄から第3セクターに転換された際の交付金をもとに積み立てた基金が底をついてしまった。岐阜県と沿線市町村が出資した第二基金もすでに枯渇しており、赤字を完全に穴埋めする手段がなくなってきた。地元では危機感を持っている。 |
| 樽見鉄道 |
大垣〜樽見 34.5km |
| 収入の4割を占める、ドル箱の住友大阪セメント岐阜工場(本巣市)のセメント輸送が、2005年度末で打ち切られることになり、存続問題が急浮上している。昨年度は過去最悪となる約1億2000万円の経常赤字を計上、その半額を沿線自治体が穴埋めしている。収入の柱であった貨物輸送がなくなって、先行きが案じられる同様のケースとしては、平成筑豊鉄道がある。 |
| 京阪電気鉄道 大津線(京津線・石山坂本線) | 御陵〜浜大津 7.5km 坂本〜石山寺 14.1km |
| 昨年末、同社社長が大津市を訪問、自助努力の限界として廃線を含めた協議を示唆したというニュースが流れ、大変驚かされた。個人的には、大津の市街地を走る路線だけに、路線末端部を除くと乗客は少なくない印象を受けていたのだが・・・。市側は観光路線等での存続方向性を探っているという。 |
| 阪堺電気軌道 阪堺線 | 大和川〜浜寺駅前 7.3km |
| 昨年、堺市内部分の廃止や買い取りを同市に打診した。美原町との合併により、政令指定都市となる予定の市が検討している、東西方向のLRT構想との一体化の可能性もあるとされる。 |
| 南海電気鉄道 貴志川線 | 和歌山〜貴志 14.3km |
昨年、会社側から沿線自治体に、赤字を理由に廃止を検討している旨、申し入れがあった。地元では、対策協議会を設置、存続運動を展開している。和歌山口での利用は少なくはないが、近辺にあった私鉄と比べると、南海に買収されたために、これまで生き延びてきた感は否めない。 →8月10日、会社側は2005年9月いっぱいで同線の事業から撤退することを発表した。撤退の理由として、年間5億円以上の赤字が10年以上続いていることや、輸送人員がピークに年間361万人(1974年度)あったのに対して、昨年度は200万人を切るなど、減少傾向に歯止めがかからないことをあげている。地元自治体は早急な対応を迫られている。 |
| 井原鉄道 井原線 | 清音〜神辺 41.7km |
| 開業5周年を迎えたばかりであるが、利用者数が計画の約半分しかなく、岡山・広島両県と沿線自治体が積み立てた13億超の経営安定基金が、早期に底をつく恐れが生じている。今年度から岡山県が中心になって、上下分離方式の新たな支援枠組みをスタートさせることになった。様々な合理化策により、今年度の経常赤字額が、前年度比約4割減の約1億8000万円と大幅に減少する見通しであるなど、やや明るさも見えてきたといわれている。ただ、様々な合理化はほぼ限界に達しており、新しい路線ながら、行く末が案じられる。 |
| 阿佐海岸鉄道 阿佐東線 | 海部〜甲浦 8.5km |
| 2001年度の営業収支率が445.8と、他の鉄道をダントツ引き離して全国最低の数値をたたく路線である。1992年の開業以来、毎年数千万の赤字を出しつづけており、開業から5年間は、国庫補助もあったが、現在は沿線自治体が補てんしている。開業時に5億超あった経営安定基金は減少しつづけており、2008年度以降は、廃止を含めた検討がなされている。 |
| 平成筑豊鉄道 伊田線・糸田線・田川線 | 直方〜田川伊田 16.1km 金田〜田川後藤寺 6.8km 行橋〜田川伊田 26.3km |
| 1989年の転換時、駅数を倍以上、運行本数も3倍にして、1997年度まで黒字経営を維持し、第三セクター鉄道の中では優良路線であった。しかし、収入の2割弱を占めていた、糸田町にある三井セメント工場からの貨物輸送が、今月限りで終わることとなった。これは、三井鉱山が産業再生機構による支援を受けたことと無関係ではなく、地元では存続の方向で一致しているものの、より一層経営は苦しくなることが予想される。 |
| 島原鉄道 | 南島原〜加津佐 36.2km |
| 5月末に開かれた島原鉄道自治体連絡協議会において、鉄道総延長78.5kmのうち、赤字幅が増大している南島原以遠について、廃止も視野に検討に入っていることが明らかになった。同社の鉄道部門は年間一億を越える赤字を出しており、そのうちの8割をこの区間が占めているという。会社側は今秋をめどに一定の結論を出す方針。 |