くりはら田園鉄道で運賃を半額にする交通実験実施




     東北本線石越から西の栗駒山麓へと延びるくりはら田園鉄道は、日本有数の鉛・亜鉛鉱山であった細倉鉱山の鉱石輸送鉄道であった栗原電鉄を受け継いだ第3セクター鉄道で、平成7年には老巧化した電気設備の更新をあきらめて、非電化鉄道に転身したという経緯を持っていることでも知られていますが、この鉄道が正念場を迎えようとしています。

     というのも、地元自治体とともに第3セクターに参加している宮城県が、来年度から補助金を打ち切る方針を沿線自治体に伝えていることに加え、今年度まで補助金を拠出する条件としても、きたる10月までに来年度以降の運行を継続するかどうかの結論を出すことを求めているからです。そのため、くりはら田園鉄道は、この4月の1ヶ月の間、運賃を半額にすることによって、需要喚起をすることが可能なのかどうかの実験を行うことになりました。

     半額になるのは普通乗車券のほか、4月15日までに発売される1ヶ月定期券も対象とされています。よく地方ローカル鉄道の利用低迷の原因が、列車運行回数の少なさに加え、運賃の高さにもあるとされますが、そういうことの検証という意味を含めて、この実験の結果とその後のくりはら田園鉄道の行方が注目されます。






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