くりこま田園鉄道の運賃半額実験のその後




      県の補助金打ち切りに端を発した存廃問題が浮上している第三セクター鉄道、くりこま田園鉄道で、この4月に運賃を半額にする交通実験が行われましたが、その結果がこのほど明らかになりました。

     結果は、乗客は前年同月比26%増と、明らかな伸びを示したものの、運賃収入は半減という寂しい結果に終わりました。つまり、値下げによる乗客増では、残難ながら経営を改善させる効果はなかったことが実証されたことになります。

     石越、若柳、金成、栗駒、鴬沢の沿線5町でつくられている「くりでん運行対策検討協議会」は、6月に沿線住民二千人を対象に、アンケートを実施しています。内容は、ズバリくりでんの存続問題についてで、県が負担していた補助金を5町がさらに負担したうえで存続するか、廃止→バス転換か、あるいはバス転換さえもしない廃止か、関心そのものがないかという選択肢で、この結果も踏まえたうえで、7月中に存廃の最終結論が出されることになっています。

     このくりでんに限らず、存廃問題が取りざたされている第三セクター鉄道は少なくありません。廃止を視野に入れた協議が始まっている北海道のちほく高原鉄道などのほかに、例えば石灰石輸送により開業2年目から9年間黒字経営を続けるなど、第三セクター鉄道の中でも優良児であった岐阜県の樽見鉄道(大垣〜樽見間34.5km)も、旅客輸送の赤字を埋めてきた石灰石輸送の減少によって、経営状況が悪化しています。資金援助を求める会社に対する沿線自治体の動きが鈍いことに危機感を持った沿線住民は、2月に「樽見鉄道を守る会」を結成し、このほど署名活動を始めるなど、動きがあわただしくなってきています。






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