可部線(可部〜三段峡間)で路線の存続をかけた実験始まる




     以前から廃止が取り沙汰されていたJR可部線の非電化区間、可部〜三段峡間で、この11月1日から来年2月12日までの104日間、路線の存廃をかけた実験が行われています。それは平日の朝夕の通勤・通学時間帯に加計〜三段峡間の延伸が上下各1本、可部〜三段峡間に1本、さらに休日には1往復増やす代わりに、利用客が倍増しなければ廃止するというものです。

     初日の1日、午前6時18分に、三段峡駅を加計発から延伸された上り始発列車が発車しました。この上り始発列車と下り最終列車は、今回の実験の目玉とも言える列車で、それまでは三段峡から広島市内への通勤・通学が実質不可能だったものを、解消するものです。初日の始発列車は三段峡から加計までの延伸区間で約60人が乗車するという上々の滑り出しでしたが、これは地元側の利用促進のアピール乗車も含まれており、予断を許さない情勢のようです。

     このような増発の試みは、国鉄末期に南九州や静岡の廃止対象のローカル線5線区で行われたことがありますが、結局いずれも国鉄〜JRの路線存続にはつながりませんでした。JR西日本は期間中の全ての列車に社員を同乗させて利用状況をチェックするなど、ピリピリとしたムードが漂うなか、どうしても廃止したい事業者側と、何とかその場をしのぎたい対策協議会をはじめとする地元とのしのぎあいは、まさに国鉄末期によく見られた構図でもあります。

     一連の背景にはこの3月の鉄道事業法改正で、路線廃止が許可制から届出制に変わり、事業者側から見ると採算性の悪い路線を廃止しやすくなったことも、大きく影響しています。現に、この項でも述べた、のと鉄道七尾線(一部区間)の他にも、青森の下北交通大畑線や、名鉄の揖斐(一部区間)・谷汲・八百津・竹鼻線(一部区間)の廃止の届け出がなされているほか、長野電鉄木島線や近鉄北勢線も廃止が検討されるなど、まさにローカル鉄道にとってはますます厳しい情勢となりつつあります。






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