戦時中、今のＪＲ北陸本線粟津駅より小松海軍航空基地引き込み線が建設されました。
当時粟津駅前より粟津温泉まで温泉電気軌道があり温泉客を運んでいました。
その粟津駅の裏側（海側）より海軍航空基地（現航空自衛隊小松基地）に向けて引き込み線が昭和18年頃建設された。延長約４．５ｋｍ。

小松航空プラザにある当時の地図

当初、海軍航空基地の滑走路を造るための資材（骨材や建築資材）の運搬に使われたようです。滑走路は長さ1700m×幅100mと長さ1500m×幅100mのＸ形の滑走路が昭和１９年に突貫工事により完成した。

粟津駅の西側にある小松製作所粟津工場とＪＲ北陸本線に沿って市道を北側にしばらく行と符津町の屑鉄屋さん付近より緩く左カーブして携帯基地局付近より廃線跡が確認できる。いかにも線路跡の曲線で串茶屋町方向にむかう。写真参照。
砂利道をすすむと廃線跡は舗装された道に整備されている。

符津町の石材屋さん付近より粟津駅方面を望む

符津町の石材屋さん付近より串茶屋町方面を望む

そのままゆるいカーブで串茶屋町方面に向かい正八幡神社の横を通り県道小松山中線（旧北国街道）と直角に交差する、串茶屋町西交差点。当時ここには踏切が有ったはずです。

県道小松山中線（旧北国街道）の交差点から　 粟津駅方面を望む、左は串茶屋町の正八幡神社

串茶屋町西交差点から串川橋梁（正式橋銘は不明）までは道幅が狭くなるが当時の線路跡をそのまま舗装したような道になっています。
串川橋梁は昭和40年代に架け替えるまで当時の橋桁を使っていました。
串川を渡ったら、今は干拓されてなくなった今江潟湖畔に出ます。このあたりはかなり低地なので線路の路体は築堤の上を走っています。当時の物かはわかりませんが築堤の石積も確認できます。今は築堤の上に農業用水が布設されています。すく横に市道が日末町まで平行にのびています。
日末町の手前でゆるく右カーブして直進し航空自衛隊小松基地の中に消えています。
日末町には当時の小さな用水を跨ぐコンクリート橋があります、この引き込み線では唯一確認できる当時のコンクリート橋です。

串川橋梁より日末町を望む

日末町に現存するコンクリート橋

小松海軍航空基地の滑走路は昭和19年３月頃には何とか飛行機が飛べるようになり各地の基地より退避基地調査のため航空機が飛来した。７月13日には豊橋空の一式陸攻が飛来し以後終戦まで特攻の後方基地として使用された。
この引き込み線は戦後すぐに撤去されたようです。
のちに航空自衛隊小松基地が設置され、引き込み線跡下にジェツト燃料の油送管が布設され近年まで使われていましたけど、それも廃止されたようです。
線路跡はほとんど道路になつており非常に解りやすいのでみなさん探訪にいらしてください。