旧上山田線熊ケ畑隧道でレール盗難事件発生




     昭和63年に廃止された国鉄上山田線の廃線跡のなかでも、トンネル内にレールが残っていたため、名所となっていた熊ケ畑隧道(山田市熊ケ畑―川崎町安真木)にて、このほど残存していたレールのほとんどが盗まれていたことが判明しました。

     これは、10月24日にトンネル内に入ったファンが発見したものです。レールは平成4年にJR九州から731メートルが山田市に、981メートルが川崎町に無償譲渡されていたのですが、山田市分のごく一部(7メートルと9メートル)を残してすべてがなくなったということです。レールは2メートルごとにバーナーで焼き切られた跡があり、またトラックのものらしい車のタイヤ跡も見つかっています。最近の中国の経済発展を背景とした、鉄材価格の高騰が犯行の遠因であると見られています。

     はっきり言って、このような事件は、廃線跡を探訪する私たちにとって、事態を好ましくない方向に進ませることは目に見えています。つまり、これまで以上に廃線トンネルの立ち入りが難しくなってくるであろうことが、容易に予想されます。特に、何ともいえない情感を持って私たちの前に現れる、レールが残っている廃線跡に、柵や蓋がされるような時代になってくるのでしょうか・・・困ったものです。




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