

変貌した北条鉄道北条町駅
このほど、旧国鉄北条線から転換された第三セクターの北条鉄道の終着駅・北条町駅を久しぶりに訪れたところ、以前と激変していてびっくりしました。というのも、旧駅構内のうち、先端部およそ半分を駅前再開発用地に献上し、国鉄時代そのままであった木造駅舎や駅裏の農業倉庫はどこへやら、すっかり駅は近代的ないでたちに生まれ変わっていたのです。再開発用地は、平成15年春に「アスティア加西」としてオープンしたということで、鉄道駅と、ショッピングセンターや図書館を核とする再開発施設が、歩道橋により一体化していました。
これは、いわばローカル鉄道のあるべき理想の姿の一つであります。今さら言うまでもなく、鉄道および鉄道駅は、昭和40年代までのように、黙っていても利用客が来てくれる時代ではありません。そのため、かなりの規模の駅でも、駅前が衰退している例が目立ちます。もっと小さな駅では、駅周辺の方が周辺道路沿いよりひっそりしていることが多いと言っても過言ではないことは、周知の事実です。
これは、しつこいようですが、お客は黙っても来るものとして、ほとんど何もせずでんと構えていた鉄道側の怠慢からくる当然の帰結といえます。つまり、クルマを使うことのできない交通弱者に便利な鉄道でなければならないわけで、そのためには、商業施設に直結するなど、彼らに鉄道利用を促進させる要素が必須であるのはいうまでもありません。
この北条町駅周辺開発によって、北条鉄道の利用者数が増えたのかどうかは知りませんし、アスティア加西も当初の見込みより入り込み客数が少ないのか、早くも撤退店舗が若干あるようですが、この施策は中心部空洞化に悩む市当局の施策としても非常に意義のあることだと思いますし、これからの発展を祈ります。
また余談ながら、最近JR西日本と関西私鉄が共同で製作している、優先座席付近での携帯電話電源OFFを呼びかけているポスターに、大手私鉄をはじめとするそうそうたるメンバーの中に、地方第三セクター鉄道では唯一北条鉄道の名前が入っているのも、頑張っているなあと拍手を送りたくなります。
その一方で、北条町駅周辺がこのように変貌したのを見て、一つ心配が出てきました。それは、その佇まいが大好きな法華口駅が変わってしまっていないかということです。そこで、おそるおそる法華口駅も寄ってみたら、相変わらずののどかな光景を見せていて、ホッとしました。もしかしたら、第三セクター鉄道は、その資本力がないために、JRに引き継がれるよりも、より国鉄時代の趣を残しているケースが多いように思います。この法華口駅はいつか何かのロケにでも使ってやりたいと思うほどの、懐かしい光景を見せている駅で、私の大好きな駅の一つです。